建設部

垂直親綱積極使用工法

はじめに

建設現場で転落事故をなくすために業界ではフルハーネス制を導入し命を守る試みが続いています。
しかし、現場を経験した者から見ると痛切に物足りなさを感じてしまいます。

先ずソフトの面では、職人育成にかける時間とコストが短縮され、キャリアの中で培われるはずの“危険に対する意識”が育ち難いように思われます。
これは業界の構造が大きく関係しており、個々の企業や組織で解決に取り組むしかないのが現状です。

ハード面では、現状の安全帯は危険場面に際し限定的な部分でしか役に立てないという所です。
最近では橋桁ごと、乗っている鉄骨ごと落下しており身の防ぎようがありません。

垂直親綱積極使用工法は世界トップクラスのロープアクセス技術と思考法を現場作業に柔軟に導入し、安全性と合理性を兼ねた解決法であり、業界に広く展開していきたいと思っています。

また当面の目標として建物の外壁打診調査、洗浄作業、通信インフラのメンテナンスに絞って受注を目指したいと考えております。

効率良く工事を進めていくために

従来の施工では仮設工事と本設備工事を分離発注していましたが、より発注者の意図に添うよう一括で請け負い、本設備工事を行う者が自身で効率良い仮設工事を選択するシステムです。

仮設工事は本来、足場を設置するのが一般的ですが、垂直親綱積極使用工法においては機械(高所作業車、ゴンドラ等)やロープアクセス(IRATA基準)などを多用することにより、大幅なコスト削減に結び付きます。

3つの基本ポイント

・発注者の意図に寄り添い、建設でありがちな問題に積極的に対応していくプランを提案できる。
・本設備工事と仮設工事を効率良く行いコストパフォーマンスを高める事を目的とする。
・従来の安全確保を上回る体制を整え、公共工事、民間工事 共に対応できるものとする。

垂直親綱積極使用工法とは

以前はユニバーサルアクセス工法という名目で取り扱っていましたが、弊社の目的・理念を明確にするため、工法説明に重点を置き、この工法に興味を持ってもらい、新たな道を歩む若者や職人さんを育成・援助していきたいと考えを改め、垂直親綱積極使用工法とした次第です。

まず、現在の仮設工事で使われている水平親綱に墜落防止器具使用の組み合わせシステムを状況に合わせて垂直親綱にロープアクセス器具使用の組み合わせシステムへの積極的変更を進めたいという事です。

垂直親綱積極使用工法のメリット・デメリット、課題を絡めて新規の参入を促して参りたいと思います。
この工法の1番のメリットは人の墜落・落下が防げるという点です。
対してデメリットは、ロープワークのアクセス技術を別に習得する必要がある点と、ギア、道具も習熟しなければいけないという点です。
その為の知識も必要となります。装備が増える事で作業性を損なう可能性もあります。

また、このプロジェクトがなかなか進まない要因として育成の難しさがあります。
熟練の鳶工は煩わしい装備や新たな技術、ロープアクセス技術を進んで覚えようとはせず、充分に仕事量がある為、取り入れるモチベーションを保ち難いと思われます。

またロープワーカーはさらに重労働の鳶仕事をしたがらず、成り手が乏しいのが現状です。

しかし、この工法ほど多能工の可能性を広げるものはなく、これからの建設産業界でAIやドローンと並んで非常に重要な役割を果たすものと確信しております。

垂直親綱積極使用工法の具体例

➀調査

従来の場合
・建設、土木ともに外壁面の調査を行う際、
現状では外部足場もしくは調査を用いて行う。
・設備施工、調査は担当がわかれる。

垂直親綱積極使用工法の場合
・機械や仮設を設置しにくい場所でもロープアクセスで打診調査、目視調査等を行う。
・必要な設備を適時に使い効率よく施工できる。
・設備費を縮小しコストを節約でき、最小限の仮設足場を使い効率が飛躍的に上がる。

②アンテナ工事

通信設備大手A社での場合
・通常、足場を設置して行う。市街地などは近隣に配慮した施工となる。
・近年では事故が多く報告されており、安全への取り組みも重要課題である。

垂直親綱積極使用工法の場合
・ロープによる作業員の垂直支持で仮設足場を軽減、安全性も格段に向上。
・近隣への影響も抑えられる。

③ 通信鉄塔工事

従来の場合
・仮設足場の設置をする場合、コスト、人件費がかかり、足場を架けない場合は胴巻きロープの危険作業となる。
・離島の場合は機材の運搬が工事に影響を及ぼす。

垂直親綱積極使用工法の場合
・トップに吊り天ポイントを設置し垂直にロープでアクセスする為、自由度の高い仕事ができ、安全性もはるかに高い。
・部分的に足場を作る場合でも上部に受け取り手がいるため容易である。
・仮設材にかかる費用は調達も含めて大幅に減らす事が可能である。

④ 外壁工事 防水・塗装工事

従来の場合
・狭い路地等で足場の設置をする場合、搬入も含めて人件費等のコストがかさむ。
・クレーンや高所作業車等の重機を使う際は近隣への対応が負担となる事も多い。

垂直親綱積極使用工法の場合
・現場状況にあわせて足場を設置したり、ゴンドラ作業、ロープ作業で行うため周囲への影響を軽減できる。
・作業員各自の施工意識が高いためベターを工夫して作業にあたる。
・侠小なスペースでもアクセスが容易である。

⑤ マンション等新築工事

従来の場合
・外壁の仕上げ、洗い作業に合わせて足場解体の工程を考えていきます。
・細かい仕上げ工事に合わせて足場の解体を実行しなければならない。

垂直親綱積極使用工法の場合
・簡易な仕上げ物取付や限定的な洗いはロープで後施工できるので足場撤去を先行して工程をスムーズにできる。

⑥ 工場内プラント設備工事

従来の場合
・手順や工程を事前に検討し局所的なメンテナンス工事が多い。

垂直親綱積極使用工法の場合
・ロープアクセスを併用することで仮設資材を減らしコストと安全性の向上に役立つ。
・工期短縮にもつながる。
・屋内作業が多い点、機械等が稼働している場合など天井から起点をつくるため安全で効率的に作業展開できる。

➀調査

従来の場合
・建設、土木ともに外壁面の調査を行う際、
現状では外部足場もしくは調査を用いて行う。
・設備施工、調査は担当がわかれる。

垂直親綱積極使用工法の場合
・機械や仮設を設置しにくい場所でもロープアクセスで打診調査、目視調査等を行う。
・必要な設備を適時に使い効率よく施工できる。
・設備費を縮小しコストを節約でき、最小限の仮設足場を使い効率が飛躍的に上がる。

②アンテナ工事

通信設備大手A社での場合
・通常、足場を設置して行う。市街地などは近隣に配慮した施工となる。
・近年では事故が多く報告されており、安全への取り組みも重要課題である。

垂直親綱積極使用工法の場合
・ロープによる作業員の垂直支持で仮設足場を軽減、安全性も格段に向上。
・近隣への影響も抑えられる。

③ 通信鉄塔工事

従来の場合
・仮設足場の設置をする場合、コスト、人件費がかかり、足場を架けない場合は胴巻きロープの危険作業となる。
・離島の場合は機材の運搬が工事に影響を及ぼす。

垂直親綱積極使用工法の場合
・トップに吊り天ポイントを設置し垂直にロープでアクセスする為、自由度の高い仕事ができ、安全性もはるかに高い。
・部分的に足場を作る場合でも上部に受け取り手がいるため容易である。
・仮設材にかかる費用は調達も含めて大幅に減らす事が可能である。

④ 外壁工事 防水・塗装工事

従来の場合
・狭い路地等で足場の設置をする場合、搬入も含めて人件費等のコストがかさむ。
・クレーンや高所作業車等の重機を使う際は近隣への対応が負担となる事も多い。

垂直親綱積極使用工法の場合
・現場状況にあわせて足場を設置したり、ゴンドラ作業、ロープ作業で行うため周囲への影響を軽減できる。
・作業員各自の施工意識が高いためベターを工夫して作業にあたる。
・侠小なスペースでもアクセスが容易である。

⑤ マンション等新築工事

従来の場合
・外壁の仕上げ、洗い作業に合わせて足場解体の工程を考えていきます。
・細かい仕上げ工事に合わせて足場の解体を実行しなければならない。

垂直親綱積極使用工法の場合
・簡易な仕上げ物取付や限定的な洗いはロープで後施工できるので足場撤去を先行して工程をスムーズにできる。

⑥ 工場内プラント設備工事

従来の場合
・手順や工程を事前に検討し局所的なメンテナンス工事が多い。

垂直親綱積極使用工法の場合
・ロープアクセスを併用することで仮設資材を減らしコストと安全性の向上に役立つ。
・工期短縮にもつながる。
・屋内作業が多い点、機械等が稼働している場合など天井から起点をつくるため安全で効率的に作業展開できる。

工事のお見積比較

事例➀雨樋修繕工事(H30年実地)
品名金額
外部足場架払工事180,000
運搬費22,000×2
雨樋交換架払工事50,000
道路使用許可申請20,000
警備員15,000
合計324,000
A社見積の場合
内訳項目金額
塩ビ樋エルボー交換
105,000
材工共
警備員15,000
消費税9,600
合計129,600
垂直親綱積極使用工法の場合
修繕前➀
修繕前②
修繕後
事例②外壁補修・漏水補修工事(H29年実地)
内訳項目金額
足場組立1,100,000
打診検査150,000
外壁工事350,000
諸経費200,000
合計1,800,000
D社 足場施工見積の場合
内訳項目金額
打診調査
300,000
(報告書含む)
漏水工事
600,000
(警備員含む)
合計900,000
垂直親綱積極使用工法の場合

某大手建設企業では見積り段階で1,200万円の提示を受けたそうです。
報告書の精度・施工の確実性で大変ご満足いただきました。

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